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[2003.11.22]
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聞こえる声,聞こえない声
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▼盗聴防止機能を搭載した携帯電話、CryptoPhoneが欧州でデビュー(CNET Japan)
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062127,00.htm
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解読できない暗号というのは存在しない。解読できない暗号は暗号できないからだ。解読した結果が美味しければ,誰かが解読する。やりとりされている情報を誰かが手に取れれば,防ぎようはないのだ。
quote:クリプトフォン社は絶対に盗聴ができない携帯電話,クリプトフォンを発売する。欧州では1台1900ユーロ(約24万円)で売られており,米国向けには今年末までに出荷されるという。安全に会話するためには2台のクリプトフォンが必要になる。
アメフトのNFLなどでは,スタジアムの上部でオフェンスコーディネーターやディフェンスコーディネーターが陣取って戦況をみつめ,フィールドにいる選手に電話で指示を与える。その電話はどのスタジアムでも有線で,無線でのやりとりは絶対にない。理由はひとつで,盗聴されることが絶対にないように,らしい。アウェイ(相手チームのスタジアム)での試合の場合は,きちんと電話回線の信頼性が確認される。さまざまな最新設備を持つNFLで,選手が電話を持って話を聞いている姿はなんか違和感があっておかしくもある。
ネットワークはすべての人が同じフィールドにいる。同じ場所にいるんだから,耳をすませばすべての声が聞こえる。スニッフィングはのぞき見趣味としては楽しいだろうし,悪事にも使える。クリプトフォンは暗号化によって盗聴を防いでおり,地上波デジタルなどのコピーアットワンスの複数暗号化にもいえることだが,解読できない暗号というのは存在しない。DVDの暗号化だって誰もこれほど簡単クラックされるとは思っていなかった。正直に解読されるか,またはどこかに穴がみつかるかは,必ず時間の問題なのだ。完全なコピープロテクトというのは,完全に存在しない。なお,アメフトで絶対に盗聴できない電話回線で伝えていてという話には,コーディネーターの胸元に盗聴装置が付いていて,相手がそれを無線で全部聞いていたという笑い話がある。有線で伝えているなら,無線で聞いてしまえばいい。やり方はいくらでもある。
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